1. 社名の由来

無電解ニッケルめっきの総称でもあり、当社の社名でもある「カニゼンめっき」(Kanigen®)は、C(K)atalytic(触媒) Nickel(ニッケル) Generation(生成) の頭文字をとり、Kanigen と命名されました。

カニゼンめっきとは、電気を使わずに化学反応によってニッケル燐合金をコーティングすることです。
カニゼンめっきは、他のメッキと比較して、

  • ① めっき膜厚が均一である
  • ② 不導体へのめっきが可能である
  • ③ 幅広い金属へのめっきが可能である
  • ④ 密着性・硬度・磨耗性・耐食性に優れている

等の特性があります。

その特性から、工業部品の機能を強化する機能めっきとして、自動車や半導体部品、デジカメやパソコンといった身近なものからF1マシン、ジェット機、人工衛星に至るまで幅広い分野で当社の技術が活きています。
当社の社名でもあるカニゼンが、無電解めっきの総称「カニゼンめっき」と言われるのもその証です。


2. カニゼンヒストリー

(1)カニゼンめっきの発見

カニゼンめっきの発見

1944年、ドイツの化学者であるA.BrennerとG.Riddellは金属パイプ内面にニッケル-タングステン合金のめっきをする際、次亜リン酸塩を加えた電解液を用いたところ、金属管の内壁のみならず外壁にもめっきが付き、さらに電流効率が120%に達するといった異常現象を発見した。

さらにこの現象を研究したところ、電解によるものだけでなく次亜リン酸塩の還元作用によっても析出し、ある一定の溶液組成と条件の下で、化学的にめっき膜が形成されることが判明した。
しかしながら、A.BrennerとG.Riddellの画期的な発見も、

  • ① めっき速度が遅い
  • ② めっき面が層状で均一性がない
  • ③ めっき液が不安定で寿命が短い
  • ④ コストが高い

等の問題から実用化されるには至らなかった。


(2)カニゼンめっき実用化までの歩み

カニゼンめっき実用化までの歩み

1947年 米国のGATC社のG.Gutzeitらが、A.BrennerとG.Riddellの発見したカニゼンめっき(無電解ニッケルめっき)の研究に着手し、EAST-CHICAGOのパイロットプラントにて研究を続けた結果、1952年についに現在のカニゼンめっき(無電解ニッケルめっき)を完成させた。


(3)カニゼンの誕生

カニゼンめっき(無電解ニッケルめっき)の実用化に成功したGATC社は、米国内およびヨーロッパ・オーストラリア・日本にカニゼンめっきのライセンスを販売、当時の小野田セメント(現太平洋セメント)が日本におけるライセンスを取得し、1955年、日本カニゼン株式会社を設立した。

カニゼンヒストリー

1955年12月
日本カニゼン株式会社 設立
本社および東京工場を東京都江東区枝川に設置する。

カニゼンヒストリー

1957年8月
東京工場にて試験操業開始。

カニゼンヒストリー

1958年1月
東京工場にて国内初の無電解ニッケルめっき操業を開始。

 

1963年7月
シューマー部門を設立。無電解ニッケルめっき液(シューマー®)の販売を開始。以来、各種の無電解ニッケルめっき液を開発し、様々な工業分野での需要拡大に応える。

カニゼンヒストリー

1973年9月
四日市製造工場を開設。無電解ニッケルめっき液の製造体制を強化。

カニゼンヒストリー

1982年11月
千葉製造工場を開設。旺盛な需要を背景として無電解ニッケルめっき液の製造拠点を強化。

 

1989年4月
名古屋営業所を設立。無電解ニッケルめっき液の販売体制を強化。

カニゼンヒストリー

1997年6月
カニゼン・タイランド株式会社を設立。海外展開を図る。

 

2002年6月
表面処理分野で国内最大手の日本パーカライジング・グループへ参入。

カニゼンヒストリー

2004年3月
カニゼン(上海)貿易有限公司を設立。海外展開の更なる体制強化を図る。

カニゼンヒストリー

2006年8月
本社を東京都足立区へ移転。

カニゼンヒストリー

2006年9月
国内最大級の規模を誇る群馬工場を設立。東京工場を群馬工場へ移転。