当社では、無電解めっきのパイオニア企業として半世紀余の歴史の中で培った技術をベースに、表面処理分野に関する新たなシーズを創出し、多種多様な市場ニーズに応えるべく、技術開発力の更なる強化に取り組んでいます。
当社の技術開発体制は開発セクションと技術サポートセクションの2つ機能を有しています。
めっきを始めとした表面処理分野に関わる中長期的な課題への取り組み、基礎研究や各種分析業務など
既存技術の延長線上にある製品の開発および改良、前処理・後処理を含めたトータルプロセスの提案、薬品製造工程の設計、原材料評価、およびお客様に対するより効果的な技術提案、トラブルシューティング業務など
この2つの機能の融合により、前処理工程やめっき液のカスタマイズ、設備面を含めたトータルコンサルティングを行い、お客様毎に最適化された表面処理プロセスを提供する「お客様と一体化したものづくり」を基本コンセプトとしています。さらに、表面処理分野で国内最大手である日本パーカライジング社や産学との共同研究を積極的に展開し更なる技術レベルの向上に努めるとともに、新たな機能を発現するめっき皮膜の開発や低環境負荷技術にも注力し、「よりアドバンテージの高い技術を提案する」ことも当社技術の特徴です。
基礎的な試験から、様々な知見を蓄積します。この知見が技術開発のコアとなります。
新規めっき液の開発やお客様の使用条件に対する処理シミュレーションを行う際に自動分析補給装置(SACP)により制御されたラボ槽での試験を行います。
表面処理という学際領域には多角的な解析が求められます。
当社では様々な分析機器を保有し、めっき液・めっき皮膜に対して高度な解析を行っています。
■原子吸光分析装置 及び ICP発光分析装置
めっき液中の微量金属元素の検出が可能なため、めっき液中の不純物同定などに使用しています。
■キャピラリー電気泳動装置
めっき液中には様々な機能を持つ有機物が含まれています。有機物成分を分析することにより、めっき液中での反応挙動を解析する手掛かりとなります。
■蛍光X線法膜厚測定装置
めっき皮膜の膜厚を蛍光X線法により測定します。非破壊分析なのでめっき後の品物を加工せずにそのまま測定することが可能です。
■走査型電子顕微鏡/EDS
析出しためっき皮膜の微細構造と皮膜中の元素分析を行います。構造と含有元素を同時に観測することが可能です。
■X線回析装置
皮膜の結晶構造、生成相を調査することが可能です。例えば皮膜の成長機構などを解析する際に威力を発揮します。